Pololu Jrkは、DCモータを簡単に制御でき、モータの速度制御または位置制御のフィードバック制御に対応したモータコントローラです。
Pololu Jrkシリーズは、旧型のオリジナルシリーズと新型のG2シリーズがあります。シリーズで基本機能は同じですが、動作電圧や電流の仕様の違いによりいくつかの種類があります。新設計には、G2シリーズをおすすめします。
オリジナルとG2シリーズの大きな違いは、I2C通信を新たにサポートされたこと、大きなモータを扱えるようになったことです。
Jrkシリーズでは、オリジナルシリーズとG2シリーズの各シリーズ内の製品は、共通のソフトウェアとライブラリで動作するように設計されています。モータが変わり必要な電圧や電流が変わっても、基板を変えるだけで同じように動作させられます。
製品名 | Jrk 21v3 | Jrk 12v12 | Jrk G2 21v3 | Jrk G2 18v19 | Jrk G2 24v13 | Jrk G2 18v27 | Jrk G2 24v21 |
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推奨最大動作電圧[V] | 28 | 16 | 28 | 24 | 34 | 24 | 34 |
最大定格バッテリー電圧[V] | 24 | 12 | 24 | 18 | 28 | 18 | 28 |
最大連続電流(冷却なし)[A] | 2.5 | 12 | 2.6 | 19 | 13 | 27 | 21 |
TTL、USB、アナログ、RC制御 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
I2C | 不可 | 不可 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
ハードウェア電流制限 | なし | なし | なし | あり | あり | あり | あり |
USBコネクタ | Mini-B | Mini-B | Micro-B | Micro-B | Micro-B | Micro-B | Micro-B |
サイズ(mm) | 34.3×34.3 | 47.0×34.3 | 25.4×30.5 | 35.6×30.5 | 35.6×30.5 | 43.2×30.5 | 43.2×30.5 |
パーツキット型番 | #1392
 | #1393
 | #3142
 | #3146
 | #3147
 | #3148
 | #3149
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実装済み型番 | #1394
 | | #3143
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このチュートリアルでは、Pololu Jrk G2 21v3を使い説明していきます。
Jrkシリーズ概要
Pololu Jrkシリーズはつぎの特徴があります。
- PCから簡単に制御できる専用ソフトウェア
- ArduinoやRaspberry Pi (Linux)用の専用ライブラリ
- アナログ入力(0~5V)による位置または速度フィードバック制御機能
- 周波数入力(1相タイプのロータリーエンコーダ)によるフィードバック速度制御機能
- 逆電圧保護機能
制御には、つぎの通信方法をサポートしています。
- 専用ソフトウェア (USB接続)
- TTLシリアル通信 (UART通信)
- アナログ入力 (0~5V入力)
- RC制御 (ラジコン制御)
- I2C (G2シリーズのみ)
対応デバイス
- Windows (専用ソフトウェア・USB接続)
- macOS(専用ソフトウェア・USB接続)
- Linux / Raspberry Pi (専用ソフトウェアとライブラリ)
- Arduino (ライブラリ)
- mbed (外部ライブラリ)
Windows、macOS、Linux / Raspberry Piでは、GUIの専用ソフトウェアと、jrk2cmdを使ったコマンドラインからの制御ができます。jrk2cmdを使えば、PythonやRuby、C言語から簡単に制御できます。
専用コマンド以外にもライブラリが提供されていて、USBシリアル通信やTTLシリアル通信(UART)、I2Cを使い簡単にモータ制御できます。
使用例
モータコントローラとして(オープンループ制御)
- ジョイスティックから、モータの正転と逆転
- PCから専用ソフトウェアで、モータの回転実験
フィードバック制御付きのモータコントローラとして(クローズドループ制御)
- スライダー(可変抵抗)でターゲット位置指定
- プロポから回転制御でサーボモーター化
- Raspberry PiからPIDパラメタを動的に変更しながら、モータの速度制御
事前にPCでパラメータを設定すると、電源を切っても保存されるので組み込み時の制御は、マイコンやアナログ、プロポなどから簡単に制御できます。
制御のこまかなパラメータ調整は、PCで動作を確認しながらできるので、とても簡単にフィードバック制御を導入できます。
回路レイアウト
Pololu Jrk G2 21v3の場合の回路のレイアウトは、つぎのようになっています。
モータと電源の接続
モータは、OUTA・OUTBに接続します。モータの正転方向は任意に指定できるので、モータの接続はどちらの向きでも大丈夫です。
電源は、Pololu JrkのVINとGND端子にバッテリーを接続します。内部で5Vレギュレータを搭載していますので、制御用電源を別に用意する必要はありません。
目次
まずWindowsから専用ソフトウェアを使いオープンループとクローズドループ制御でモータを回転させます。さらに、Arduino・mbed・Raspbery Piからライブラリを使ってモータ制御し、最後に関数の一覧を紹介していきます。
- Pololu Jrkシリーズ概要 (現在のページ)
- 専用ソフトのインストールとモータ制御
- ポジションメータによるフィードバック制御
- 1相ロータリーエンコーダによるフィードバック制御
- Arduinoでの制御
- mbedでの制御
- Raspberry Piでの制御
- ライブラリの使い方と関数一覧
資料
- Pololu Jrkシリーズ概要
- 専用ソフトウェアのインストールとモータ制御
- ポジションメータによるフィードバック制御
- 1相ロータリーエンコーダによるフィードバック制御
- Arduinoでの制御
- mbedでの制御
- Raspberry Piでの制御
- ライブラリの使い方と関数一覧