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ピニオンギヤに接着剤は必要?

モータ軸へのピニオンギヤ取付けと接着剤

取付けたピニオンが、モータ回転中に外れてしまい、空回りしてしまうなんてことがあっては困ります。回転中の負荷に耐えられる結合力があるか、ギヤが滑らないかが心配なときに使用するのが、はめあい接着剤です。

小さいモータでのピニオンの取付け方は、セットスクリュー(イモネジ)や圧入が一般的です。このとき、接着剤が必要でしょうか?

朱雀技研ギヤードモータ組付けサービスなら601

朱雀技研のギヤードモータ組付けサービスは、601がおすすめ。
ピニオンとモータ軸の取付け方法が圧入ですので、圧入のみでも十分な強度がありますが、滑り防止にロックタイト601を選択するのが一番と考えています。

ロックタイト無しは、ギヤボックスを交換と一緒にピニオンも交換する可能性がある、試作中など試行錯誤しているときにおすすめです。

ロックタイト638は、ギヤボックスも破損する可能性があるくらい過負荷がある場合におすすめですが、ロックタイト601を使用していて不具合があった時にご指定ください。

ピニオンを圧入するとき

ロックタイト601やロックタイト603がおすすめ。
隙間が少なく、接合強度の補強にはちょうどよいです。

ロックタイト638は、粘度が高いこともあり、圧入方法によっては作業性が悪い場合があります。結構大変です。

セットスクリュー(イモネジ)で留めるとき

ロックタイト641がおすすめ。
中強度の製品ですが、隙間が少し広くても(601が0.13mm以下、641が0.2mm以下で)使用でき分解もしやすく、セットスクリューにはちょうどよい接着剤です。

はめあい接着剤

ピニオンと軸を取付けたときに、圧入でもセットスクリューでも、ほんの少しの隙間ができます。この隙間を充填して固着することで、結合力・接合力をアップします。ほかに、隙間がなくなることでシール性(密閉性)がアップして腐食防止にもなります。

はめあい接着剤は各社から販売されていますが、朱雀技研で使用している、ヘンケルジャパン株式会社 ロックタイトシリーズを取り上げていきます。

ヘンケルジャパン株式会社 ロックタイト601や638は、はめ合い用嫌気性接着剤に分類されます。空気を遮断することで硬化・接着します。ピニオンの取付け以外に、ネジの緩み止めにも使用されます。

接着剤の種類

ロックタイト601

601は、はめ合い用ロックタイトの中で「高強度標準品」に分類され、ピニオンの固定に適しています。

ロックタイト603

603は、はめ合い用ロックタイトの中で「高強度」に分類され、ピニオンの固定に適しています。601より強力に固定します。

ロックタイト638

638は、はめ合い用ロックタイトの中で「最高強度」に分類され、ピニオンの永久固定に適しています。分解することがない時に使用します。

ロックタイト641

641は、はめ合い用ロックタイトの中で「中強度」に分類され、組付け後に分解する必要がある部品の固定に適しています。隙間が少し大きい部品でも対応しているため、セットスクリューなどの固定に使用できます。

利点・欠点

ロックタイトを使用しない

ロックタイトを使用しない時は、使用している時に比べて、固定の強度が下がります。
ピニオンをモータ軸へ圧入していると、ロックタイト無しでもかなりの強度で固定されます。しかし高負荷や衝撃がきっかけで、ピニオンが滑り、動力伝達の効率が落ちる可能性があります。

ロックタイトを使用したときに比べて、ピニオンを容易に取り外すことができ、モータの再利用ができます。取り外したピニオンを再利用するのは、おすすめしません。

ロックタイト601

ロックタイト601を使用すると、固定強度が強く、ピニオン破損時にとりはずして交換ができます。
通常使用では、十分な接合強度があり、分解も可能な601がおすすめです。

ロックタイト638

ロックタイト638を使用すると、永久固着のため多少の衝撃や過負荷でも滑ることがありません。
高負荷や衝撃が多い状況で長時間使用する場合のみ638をおすすめします。
一度固着すると取り外すことが難しいため、メンテナンスや緊急時に交換できず困ることがあるので注意してください。

使用上の注意

金属以外は使用できない

ロックタイト601や603,638,641は、金属専用のはめ合い用接着剤です。
熱可塑性プラスチック(アクリル、ABS、ポリカーボネート等)に使用すると、クラックなど素材が破損する場合があるので注意してください。

プラスチックなどが素材にある時は、ロックタイト406がおすすめです。

どうしても取り外したいとき

ロックタイトを固着後に取り外したいときがあります。
取り外すなら強度の低い641などをはじめから使用すれば良いのですが、いろいろな状況があるものです。そんなときは、250度以上に加熱してください。ロックタイト601や638は、使用温度範囲が150度以下となっており、250度以上に過熱すると接着強度が落ちて取り外せるようになります。
ライターや、はんだごてなどで過熱できる場所でしたら、一度試してみると良いと思います。

溶剤にも溶けますので、時間がかけられる場合は溶剤に浸しておくとロックタイトを取り外すことができます。十分な時間が経過した後に取外しを試みてください。

参考サイト

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